2015年10月17日土曜日

ミセス・ワタナベのドル買い急増

ミセス・ワタナベのドル買い急増 
米利上げ観測後退も円高に歯止め
2015/10/15 16:41

 外国為替証拠金(FX)取引を手掛ける個人投資家の
ドル買いが、外為市場関係者の間で話題になっている。
通称「ミセス・ワタナベ」と呼ばれる個人投資家は
円相場が1ドル=118円台に上昇する局面で、
ここぞとばかりに「逆張り」の円売り・ドル買いに動いた。
今年最大規模のドル買い残高となったFX会社もある。
米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測の後退を受けた
円高・ドル安の進行が緩やかな背景には、
日本の個人投資家が一役買っているようだ。

 国内主要業者の持ち高状況を示す建玉
(未決済残高)データをみると、
個人が積極的に円売り・ドル買いを
進めている様子がうかがえる。
店頭FX大手の外為どっとコムでは、
14日の「ドル・円」取引の総建玉に占める
ドル買い建玉の比率が83.6%と、
2014年7月17日以来の高水準だった。
ドル買い比率が上昇したのは、
新たなドル買い注文が急増したからだ。
「14日のドル買い持ち高は15年中で最大の規模まで膨らんだ」
(外為どっとコム総合研究所の神田卓也・調査部長)という。
店頭FX最大手のGMOクリック証券でも、
ドル買い持ち高が1週間で3割以上増えた。

 14日のニューヨーク市場では、
8月の米小売売上高や同月の卸売物価指数
(PPI)を受け、米国の景気や物価の先行きに
慎重な見方が広がり円は一時1ドル=118円61銭と、
9月4日以来の高値を付けた。
「円が119円近辺まで上昇する局面で個人は
断続的に円を売り上がっていた」
(FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリスト)。

 個人が大規模な円売りに動いたのはなぜか
DMM.com証券のディーリング部の宮崎茂勝氏は
「最近の円相場は120円近辺でのもみ合いが続いていたため、
個人は円売り・ドル買いを仕掛けるタイミングを
虎視眈々(たんたん)と狙っていた」と話す。
10月に入り、円相場の値幅はかなり狭い状況が続いており、
10月の1日の平均値幅は現時点で65銭程度と、
中国の景気減速懸念で金融市場が揺れ動いた
9月(1円程度)を下回る。
値幅が狭ければ、「逆張り」で取れる利益は少ない。
「(118円台まで)円高・ドル安が進んだ14日は、
個人にとって格好の『逆張り』の機会だった」(宮崎氏)わけだ。

 新興国経済の減速などが一段と鮮明になり、
当面の円の上値メドとされる118円近辺まで円高が進めば
「(逆張りに失敗した)個人などが損失覚悟の
円買いを進める」との見方はある。
ただ、外為どっとコム総研の神田氏は、
FRBの年内利上げ観測の後退でドル高圧力は低下するものの、
「日銀の追加金融緩和観測など円安材料はあるため、
個人投資家の円の先安観は根強い」と指摘する。
円高の進行ペースを抑える防波堤として、
今後はミセス・ワタナベの存在感が高まってきそうだ。

〔日経QUICKニュース(NQN) 田中俊行〕

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